相続登記や相続税以外に、不動産を相続した場合に知っておきたい事を解説します。
具体的には、「不動産を使った相続対策」「不動産を相続した場合にかかる税金」「不動産を相続した者の責任」についてを解説していきます。

5-1.相続対策で不動産の相続税評価は大幅に下げることが可能

同じ価値の相続財産でも、相続する資産の内容により相続税の金額は異なります。具体的には、現預金で相続するよりも不動産で相続する方が相続税が大幅に節税できることになります。

例えば、1億円の現預金が相続財産としてあった場合、相続税評価はそのまま1億円となり、仮に相続税の税率が50%の場合は、5,000万円の相続税がかかります。

しかし、1億円の現預金で1億円の不動産を購入した場合、物件の種類にもよりますが、相続税評価は7,000万円程度になります。その場合、税率が50%でも相続税は3,500万円となり、先ほどの場合と比べると1,500万円も節税になっていることが分かります。

5-2.不動産を相続した場合にかかる税金の一覧

不動産を相続した場合にかかってくる税金について解説します。相続登記の際にかかる、登録免許税及び司法書士の報酬については、「1-1.不動産の名義変更(相続登記)にかかる費用」で、相続税については、「2.不動産を相続した場合にかかる相続税の計算方法」で解説した通りですが、それ以外に、かかる可能性のある費用をご紹介します。

(1)相続人以外が取得した場合には不動産取得税がかかる

不動産取得税は、不動産を取得した場合にかかる税金です。固定資産税評価額の3%がかかってきます。
但し、相続により取得した場合には、この不動産取得税は原則かかりません。
ただ、遺言書によって相続人以外が不動産を取得した場合にはこの不動産取得税がかかってきますので注意が必要です。

(2)相続した翌年からは固定資産税がかかる

また、不動産を所有していると固定資産税と言われる税金がかかってきます。毎年、1月1日時点の所有者に対してその年1年分の固定資産税が課税されることとなります。
よって、相続によって取得した翌年からこの固定資産税を支払う義務が生じます。

(3)相続した不動産を売却すると所得税がかかる

相続した不動産を売却した場合には、譲渡所得に該当し所得税が課税されることになります。
その土地を所有していた期間により税率は異なりますが、5年以上所有していた不動産であれば所得税15.315%と住民税5%の合計20.315%の税金を支払う必要があります。
この譲渡所得については不動産を売った年に税務署で確定申告を行う必要がありますので、忘れずに行うようにしましょう。
また、相続した不動産を売却した場合には様々な特例の適用を受けることができる可能性があります。
多く所得税を支払わない為にも相続した不動産を売却された方は専門家に相談してみてください。

(4)相続した不動産を賃貸していた場合には所得税がかかる

相続した不動産が賃貸物件だった場合には毎年不動産所得が発生し確定申告を行う必要があります。
毎年税務署に対して確定申告を行う必要がある為、負担がかかることになります。
もちろん専門家である税理士に依頼することも可能ですので、忙しい方は一度相談されてみるのもよろしかと思います。

5-3.不動産を相続したら「管理者責任」がついてくる

不動産の所有者になると、「管理者責任」がもれなくついてきます。どういうことかと言うと、例えば、相続した家の屋根が台風等で飛んで、近隣のお宅を傷つけてしまった場合などは、その責任を負わなければならないといったものです。
ですので、倒壊の恐れがあったりする場合には、きちんとその不動産を管理する必要があります。また施錠等をしっかりしておかないと不審者等が住みつく恐れもありますので注意が必要です。
そのため、空き家を相続した場合には、その管理を地元の不動産会社に依頼するか、もしくは定期的に訪問してきっちりと維持管理を行うといったことが必要です。

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